ソーシャルメディアによる情報漏洩

ソーシャルメディアによる情報漏洩


事実関係

Y社は、個人住宅の販売を手がけ、地域に密着した営業で大手と対抗し、着実に業績を上げてきました。A社長は新聞、雑誌など広報に力を入れており、facebookなどソーシャルメディアサービス(以下、「SNS」と言います)の活用も巧みでイベント情報など話題の提供を欠かすことなく、お客様の評判も上々でした。安定した業績を背景に昨年から新卒採用を開始、リクルートにもブログやfacebookなどを活かした会社説明会は大盛況で低コストでの採用活動に成功しました。
初めての新卒社員を迎えてふた月が立とうとする頃、A社長のブログに書き込みがありました。

「A社長のファンで、いつもブログを拝見しています。貴社のイベントはいつも楽しみにしています。イベントに参加したときも社員の方の温かい接客は、A社長の人柄と相まって良い社風を感じます。新入社員の方のブログも抱腹絶倒です。ここまで風通しの良い社風とは素晴らしい・・・。」

お褒めの言葉に、ついつい顔がほころぶA社長でしたが、「新入社員のブログ?抱腹絶倒?」と読み進めるや、一気に暗雲が広がりました。

A社長が、早速、検索サイトで調べてみますと、悪い予感が的中、Y社の新入社員Xが何と実名で「Y社の新人研修日誌」と題したブログを公開していました。
内容を確認しますと、さすがに上司や同僚の名前までは実名ではありませんが、取引先やお客様などある程度Y社のことをご存じの方には登場人物が容易に特定できるものでした。

一部、誤解を招く表現やお客様に関わる記載もあり、社内外を問わず大問題に発展してしまいました。

問題点

携帯電話のスマートフォン化やiPadなどの普及で急激に浸透した感のあるブログ、twitterやfacebookなどのソーシャルメディア、地震や災害などでは速報性を活かして貴重な情報源と評価される反面、仕事上の出来事や内部情報が漏洩するなど使い方を誤ると取り返しのつかない甚大な被害も引き起こします。大手ホテルチェーンの社員が有名人の来店をツィートして問題になるなど、事例は枚挙に暇がないほどです。

社員のソーシャルメディアでの不正な書き込みは、プライバシー侵害や損害賠償など直接的な損害だけでなく、社内の人間関係の崩壊、会社の信用失墜や得意先との取引停止など大問題に発展する可能性があります。

ネットワークの恐ろしいところは、一瞬にして全世界に配信されること、情報がデジタルデータとして保存、蓄積されることなどの特殊性にあります。

社員がSNSに何を書き込むかは、表現の自由として、本来、会社とは無関係ですが、ことの重大性から会社として何らかの規制や対策が必要です。

就業規則等でルール化し、逸脱した行動があれば労働契約上の違反や債務不履行として是正や処罰、損害賠償請求も可能とすることが求められます。

ご一考ください。

  • 就業規則に守秘義務や職務専念義務を加える
  • SNS利用に関する規定を定める
  • プライバシーポリシーを定めるなど社員に啓蒙を行う
  • 社員だけでなくパート、アルバイト等にも誓約書などで注意喚起する
  • 入社時や随時に研修を行って啓蒙する

等々

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